いちご農家が収量を伸ばすために読んでいる本

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いちご農家は、いちごをたくさん採るために日々技術を磨きます。農業に限らずすべての仕事について言えることかもしれませんが、その仕事を始めてからも常に勉強し続けなければ新しい技術や能力が身につかずにライバルにあっという間に引き離されてしまいます。そうならないために、手っ取り早く勉強するには本を読むのが1番効率がいいです。しかし、数多くのいちご栽培に関連する本が出回っていてどれが役に立つのかなかなか判断できません。そこで今回は、いちご栽培関連の本を読みあさってきた筆者がおすすめする「いちごの栽培技術を磨くのに役立つ」本を紹介します。

いちご専門の本ではないですが、施設栽培をする人には絶対におすすめしたい本です。ページ数は100pちょっとですが、イラストなど豊富に使い内容がとてもわかりやすいです。環境制御の機械の操作方法ではなく、ハウス内の環境を最適にするために必要な基本の考え方が説明されています。筆者自身もこの考え方を持つようになってから、実際に収量が増えた経験があります。今でも同じ考え方で栽培していて、特に矛盾を感じるところはないです。収量が伸びない人によくあるのが、栽培の現場で起きている事実と自分のイメージとの間に乖離があることです。そのギャップを埋めることができて初めて換気制御機器の効果を最大限引き出すことができるのです。そのためにハウス内の植物に起きていることをイメージするのにはこの本がおそらく最強だと思います。いちご栽培、施設栽培関連の書籍を読み漁ってきた筆者からすると、他にはない唯一無二の本です。

これはサイズが大きくて、一発限りのムック本のように見えますが、実は内容や構成を大きく変えたリニューアル本です。著者の伏原さんという方はいちご栽培の最前線で普及員として活躍された方で、いちごの生態はもちろんのこといちご農家がいかに効率よく作業できるか?という農家目線の視点でこの本を書いているように感じます。まさにサブタイトルのとおり、安定して収量を上げるためにこんなところを意識して作業するといいよ、といった感じの内容が盛りだくさんです。あと、カラー写真が多くてイメージしやすく初心者からプロのいちご農家まで参考になります。


日本のイチゴ

これもいちご農家必携の本です。しかも初版から10年以上経っての改訂版なので一定の支持がある本なのでしょう。内容は、一言でいえば「教科書」です。初学者にとって決して読みやすいものではないですが、絶対に知らなくてはならないいちごの生態の基礎、花芽分化の仕組みについては特に詳しく書かれています。それでも大学の農学部で使われる教科書よりははるかに読みやすいのではないでしょうか。実際、筆者も研修時に教科書として使っていました。就農してからも何度も見返して、事実とイメージの誤差をなくすようにしてきました。読んですべてを記憶しておく必要はないと思いますが、一通り理解して必要な時に確認するような使い方でいいでしょう。


電照栽培の基礎と実践: 光の質・量・タイミングで植物をコントロール

品種によっては電照のいらないものもありますが、やはり草勢管理するうえでまだまだ主流の技術といえます。一般的に、冬になるといちごは生育速度が落ちます。いちごは冬になったことを温度や日長で感じ取っているため、暖房機や電照をして「まだ冬になっていない」と思い込ませるのです。その電照の基礎的な考え方である「光の質」についてこの本にはくわしく書かれています。いちご専門書ではありませんが、植物がどのようにして光から情報を得ているのか理解が深まります。それは、単に光合成の補光にとどまらず、日長を感知する光周性のように植物が光から季節などを読み取り、時期に合わせて自分の形態を変化させていくものを含みます。特に、日長を感じ取るいちごの性質はかなり重要で、収量に大きな影響を与えます。図やグラフでわかりやすく説明されているので電照の入門書として非常におすすめです。

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