今回紹介するのは、「農業用ハウスの環境制御装置を導入していて」
なおかつ「Wi-Fi通信可能」なタイプの環境制御装置を使っている方であれば利用できる方法です。(古い通信規格3Gを使用する装置では使用することができません)
費用も無線ルーターとRaspberryPiが使える環境があれば、格安データSIM利用料の月額1000円程度ですんでしまいます!
ラズパイにサーバーを立て、スマホの設定をすれば遠隔操作ができます。
このあと画像といっしょに必要な機器と設定の方法を解説しますので、この機会にぜひチャレンジしてみましょう!
遠隔操作するために必要なもの
自宅からハウスの環境制御装置を遠隔操作するためのの手順は次のとおりです。
- RaspberryPi(ラズパイ)を設置して常時稼働させる
- 格安SIMカードを入れた無線ルーターを設置する
- スマホなどにVNC viewerを入れてラズパイにアクセスする
1.RaspberryPi(ラズパイ)の設置
自宅など外部からハウスにアクセスするための中継地点となるラズパイを次のように設置していきます。
- パソコンでマイクロSDカードにOSを書き込む
- 書き込んだマイクロSDカードをラズパイ本体に差し込む
- ラズパイ本体に電源、マウス、キーボード、ディスプレイを接続する
- ラズパイが起動したら、「VNC server」を有効にする
- 「real VNC」のサイトから無料登録をする
まで行えば、ラズパイ本体の設置は準備完了です。
ラズパイを設置するために必要なものは以下のものです。
これらのものと別に、マイクロSDカードにOSを書き込むためのパソコンが初回だけ必要になります。
それではまず、「パソコンでマイクロSDカードにOSを書き込む」方法を説明します。
まず、パソコンからRaspberryPi公式サイトのOS書き込みソフト「Pi Imager」ダウンロードページにアクセスします。
使っているパソコンがWindowsとして説明します。「Download for Windows」をクリックするとPi Imagerのダウンロードが始まります。
次にダウンロードしたファイル「imager_x.x.x.exe」(x.x.xはバージョン)を実行します。
実行したらインストールを始めてください。
インストールが完了すると上記の画面になります。
「Run Raspberry Pi Imager」にチェックされたまま「Finish」をクリックします。すると、「Raspberry Pi Imager」が開くので「OSを選ぶ」リストから「Raspberry Pi OS (32-bit)」を選んでください。
次のようなウインドウが立ち上がり、Pi Imagerが起動します。
マイクロSDカードをパソコンに接続して「ストレージを選ぶ」から該当するをディスクを選択します。
つづいて「書き込む」をクリックすればOSの書き込みは完了です。
VNC serverの設定をする
次にVNC serverを起動する方法を説明します。
さきほどのOSを書き込んだマイクロSDカードをラズパイ本体に差し込みます。
次に、ラズパイ本体に電源、マウス、キーボード、ディスプレイを接続します。
続いて、電源を接続したらOSが立ち上がるので初期設定を済ませたら、「RaspberryPiの設定」画面にある「インターフェイス」タブの「VNC」項目を「有効」にしておくと自動で起動するようになります。
realVNCのサイトからアカウントを作成します。登録は無料です。
右上の「Sign in」から登録開始します。
無線ルーターの設置
もともとインターネット環境がととのっている人は不要ですが、なければ用意します。
さまざまなタイプの無線ルーターがありますが、どれでもいいわけではありません。
「AC電源タイプ」かつ「SIMカードが入る」タイプのものを選んでください。
ルーターは常時稼働させるのでバッテリー電源のモバイルタイプは×
SIMカードを使用するので終端装置(ONU)とケーブルで接続するタイプも×
条件に満たす、おすすめの無線ルーターはこちらです。私も実際に使用していて、故障もなく安定してインターネットにつながります。
3.SIMカード
まずは、カード自体を購入します。
おすすめは、ドコモ回線を使っているOCNモバイルONEです。
大手通信会社だと通信容量3Gで1000~2000円/月、格安SIMの場合で1000円弱が相場です。
スマホに入れて使うわけではないので音声対応は不要でデータ通信のみの契約で大丈夫です。
遠隔操作するときのみ通信データ容量を消費するので容量は3G/月で充分です。
格安SIMカードを使えるように申し込みをします。
VNC viewerの設定をする
PC、スマホ、タブレットからでも「VNC viewer」をインストールして、realVNCの登録アカウントでログインすれば現地のラズパイに接続できます。
自宅からはもちろん、インターネットに接続できれば旅行先でも、海外からでも操作可能です。
無料アカウントの場合、登録できるリモート先が5台までと限られますが、遠隔操作の対象が5か所以下なら問題ありません。